
まずはステップメールの基礎知識を学びましょう。
ここからは、以下の2つを詳しく見ていきます。
- ステップメールの仕組み
- メルマガとステップメールの違い
ステップメールの仕組みとは
ステップメールとは、顧客が資料請求した日や申し込んだ日を境に、事前に準備していた内容のメールを配信していく仕組みを指します。 メール配信システムやCRMツールを用いることが多いです。メールは顧客ごとに自動送信されるため、 顧客が求めている情報をベストタイミングで届けられます。
例えば以下のような流れで、ステップメールを送ります。
- 資料請求した直後にお礼のメールを配信する
- 2日後にホワイトペーパーなどの関連資料を配信する
- 1週間後にイベントに関する案内を配信する
- 1ヶ月後に最新イベントの告知内容を配信する
メルマガとステップメールの違い
メルマガ | ステップメール | |
目的 | メルマガ購読者全員に向けて発信すること | 顧客の行動に合わせて情報を順次配信すること |
送る内容 | 企業の最新情報
|
|
タイミング | 企業側にとって適切なタイミング | 顧客が以下のアクションを起こしたタイミング
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回数 | 企業側が自由に設定でき、配信を止めない限り永久に続く | 3〜5回程度で完結する |
メルマガとステップメールでは、「どのタイミングでどんな内容を配信するのか」「顧客がメールを開封した後にどんな行動を取って欲しいのか」の点で違いがあります。
1番大きな違いは、ステップメールの場合だと顧客が登録した時期に問わず全てのメールが1通目から送信される点です。一方でメルマガの場合、過去に配信されたものは確認できません。
ステップメールの作り方と例

ここまでステップメールの基本を紹介してきました。次はステップメールの作り方と例を見ていきましょう。
ステップメールは1回のメールで完結せず、ストーリー性がある点が特徴です。そのため、顧客にアクションを起こしてもらうためのシナリオを作ることが重要になってきます。
それぞれの詳しい内容を解説していきます。
ステップメールの目的を決める
最初にステップメールの目的を決めましょう。「誰のために送るのか」「どの顧客にどんなアクションを起こして欲しいのか」を明確にします。
目的の例としては以下のようなものがあります。
- サービスの使い方を案内して継続利用してもらい新規顧客を開拓する
- サービスの問い合わせで見込み客を育てる
- サービスを購入してもらい既存顧客のリピート率を上げる
- イベントやセミナーに参加してもらい顧客をファン化させる
目的を決めてから始めるとステップメールの開封率も上がり、商談から成約につなげやすくなります。
ステップメールのシナリオを考える
上記でご紹介した目的をもとに、シナリオを考えていきます。新規顧客と見込み客に分けて2パターン作るのがおすすめです。
まずは、新規顧客向けのシナリオは以下のようになります。
- 「このような悩みを抱えていませんか?」など問題提起のメールを送る
- 購入した人の体験談や感想のメールを送る
- 自社商品やサービスの使い方や役立つノウハウを送る
売り込みすぎると顧客の警戒心が強くなる可能性があるので、まずは興味を持ってもらいやすい顧客のためになる情報の発信を目的としましょう。
続いて、見込み客向けのシナリオを作ります。
- 会員登録した後すぐにお礼のメールを送る
- サービスを購入した翌日にPDFで関連資料を送る
- 購入から1週間後に会社の新商品やイベントの案内を送る
見込み客は過去に資料請求をしている、別のサービスを利用している人などが含まれます。 すでに商品やサービスに興味を持っていて、購入を検討しているケースが多いです。商品購入など具体的なアクションにつなげられるようにしましょう。
シナリオを分割してメールの設定
目的を決めてシナリオを考えたら、次はそのシナリオを分割してメール設定を行います。
- 何日間隔でメールを送るのか
- どの段階でどの内容を送るのか
上記を考えた上で、HTMLメールを使って配信するのが良いでしょう。配信ツールは無料版から有料版までさまざまあるので、自社の予算や求めている機能によって適宜使い分けてください。
ステップメールを導入する3つのメリット

ステップメールを導入するメリットとして見込み客の育成だけに限らず、送る相手に合う情報が提供できる点、業務の効率化が図れる点も挙げられるでしょう。 それぞれ詳しく見ていきましょう。
①見込み客を育成できる
見込み客は過去に資料請求をしたことがある、もしくは自社の別の商品の購入経験がある人が含まれます。 しかし中には興味が薄れている人や商品に対して得ている情報が少ない人もいます。そういった見込み客に向けて一定期間、継続的にステップメールを送ることで、商品に対するメリットやノウハウを把握でき、購買意欲が高まります。
それだけでなく、メールを通して頻繁に配信者と接触していると、自然と親近感や信頼感を抱くようになります。 徐々に信頼関係が築けてきて、結果的に自社での購入を決めてもらいやすくなります。
②送る相手の現状にあった情報を提供できる
顧客がアクションを起こしたタイミングでメールを配信する点がステップメールの特徴です。 大前提として、何も知らない状態で商品やサービスを購入する人はあまりいません。 機能性・価格・効果などを調べて自分に必要だと判断してから、購入を検討し始めます。
このような顧客の行動プロセスを考慮し、相手の現状にあわせて適切な内容を配信できる点がメリットとして挙げられます。
例えば以下のような配信も行えます。
- 商品やサービスの使い方を伝えるコラム
- お役立ち情報やQ&Aコーナー
③業務の効率化を図れる
配信する度にメールの内容を変える必要があるメルマガとは違い、ステップメールは1度作成しておけば、その後は何度も使い回しが可能です。 事前設定をしておくと配信の自動化ができるため、業務の効率化も図れます。
最後のメール配信の際に商品やサービスの宣伝をし、顧客ごとの目的に合わせたシナリオ設計をしておくと、売り上げを自動的にアップさせられます。
ステップメールを導入する3つのデメリット

ステップメールにはデメリットもあります。ここでは下記の3つを例に挙げて解説していきます。
- 見込み客のメールアドレス確保にコストがかかる
- ステップメールの作成に手間がかかる
- 最新情報を盛り込みにくい
①見込み客のメールアドレス確保にコストがかかる
デメリットの1つ目は、メールアドレスの確保に時間や労力がかかる点です。いざステップメールを配信しようとしても、顧客リストがなければ意味がありません。広告やSEO対策を実施して自社サイトへの集客を増やし、メールアドレスの確保が必要です。
サイトでメールアドレスを収集する際は、メリットを提示しましょう。例えば以下の通りです。
- 「問い合わせフォームに記入していただくと、お得な情報をお届けします。」
- 「期間限定で割引クーポンを差し上げます。」
その場で購入に至らなくても、後々メールアドレスを通して訴求することが可能になります。
②ステップメールの作成に手間がかかる
ステップメールを作る時は「シナリオ」を考える必要があります。 ステップメールのシナリオは、メールを基準とした行動を想定したシナリオ設定が必要になります。この点はメルマガと大きく異なるため注意が必要です。
また、それだけでなく配信するタイミングや回数など、決めなければならない事項が多数存在します。 メルマガのように一方的な情報提供が目的ではなく、見込み客を育成し実際にアクションを起こしてもらうことがゴールと認識しておきましょう。
加えて、自社商品やサービスに興味を持ってもらえるようなメール構成をする必要があり、作成に手間がかかります。 完成した内容をダブルチェックする際も時間を要します。工数の多さがデメリットになる点を念頭に置いておきましょう。
③最新情報を盛り込みにくい
ステップメールは事前に作成してあるメールを配信することが特徴です。そのため、最新情報や後から追加したい内容がある場合は、その度に変更しなければなりません。
- 新商品に関する情報
- 最新イベントやキャンペーンの案内
上記のような情報を配信するのであれば、メルマガの方が適していると言えるでしょう。
効果的なステップメールを作成するコツ

最後に、効果的なステップメールの作成方法について見ていきましょう。
見出しにこだわる
見出しが1番重要です。いくら事前準備をしてメールを配信しても、開封してもらえなければ意味がありません。 見込み客はメールの件名を見て、続きを読むかどうかを判断しています。見出しが良ければ見込み客の心を掴みやすくなります。
ステップメールの結果を分析し改善する
開封率・クリック率・配信停止率の3点を分析し改善しましょう。顧客のニーズに合わない情報を配信すると数字が下がります。 ステップメールで効果を出す1番のコツは、分析から改善までをスピーディーに行うことです。例えば、ステップメール内にアンケートを入れる方法も良いでしょう。
ステップメールの配信サービスを利用する
ステップメールの配信サービスを利用すると、迷惑メールに振り分けられる・誤送信されるなどの不具合を防げます。 また、HTMLのメール作成・予約配信・顧客リストの管理などを行ってくれるため、工数を抑えることも可能です。
基本的な項目を記入するだけでステップメールの型が完成するため手間もかかりません。 分析ツールも備わっているため、開封率やクリック率などの効果測定もしっかり行えます。
ステップメールでマーケティングの効率化

ステップメールの基礎知識から効果的な作成方法までご紹介しましたが、いかがでしたか?ぜひ本記事を参考にステップメールへの理解を深めてください。 メリット・デメリットを踏まえた上で導入を検討し、マーケティングの効率化を図りましょう。